森保ジャパンに刺激。レギュラーを突き上げたJリーグ組3人

  • text by Tsugane Ichiro
  • photo by Sano Miki

福田正博 フットボール原論

■3月末に韓国、モンゴル相手に好パフォーマンスを見せた日本代表。選手たちはまたそれぞれのクラブでの活動へと戻った。福田正博氏は今回のJリーグ組を含めた新しい選手たちの好プレーを指摘。今後の活躍に期待を寄せている。

モンゴル戦では19分の出場で2ゴールを決めた古橋享梧モンゴル戦では19分の出場で2ゴールを決めた古橋享梧 久しぶりの活動となった韓国戦とモンゴル戦で快勝した日本代表だが、内容でポジティブな要素が多かったと思う。

 今回、最も心配していたのが、大迫勇也だった。所属するブレーメンで出場機会を失っている彼が、どんな状態か気がかりだった。試合勘の部分でらしくない判断ミスもいくつかあったとはいえ、全体的な出来は日本代表にとって替えの利かない選手と改めて認識させるものだった。

 ここから先に待ち受けるW杯予選や本大会は、大迫の出来・不出来がチームに及ぼす影響は大きい。それだけに、所属クラブでうまくいってない状況を来シーズンに向けていい方向に変えてもらいたいところだ。

 大迫以外の攻撃面に目を向ければ、抜群に良かったのが右サイドで起用された伊東純也(ゲンク)だ。このポジションには堂安律もいて、ビューレフェルトで結果を残しているだけに捨てがたいものはあるが、縦に突破できる伊東が現状の日本代表にとってのファーストチョイスだろう。

 これは両選手の特長と、ほかの選手との兼ね合いもある。堂安の持ち味はインサイドに切れ込んでいくプレーにあるが、そうなるとピッチ中央が渋滞する可能性が高い。その点、伊東は縦を突くので、中央の選手たちも生きやすい。

 伊東と堂安、それに久保建英(ヘタフェ)も含め、対戦相手や試合状況に応じてタイプの異なる3選手を使い分けられる選択肢があるのは、日本代表にとって強みになってくるはずだ。

 トップ下のポジションも、能力の高い選手が2人いる。南野拓実(サウサンプトン)と鎌田大地だ。これまでトップ下でプレーしてきたのは南野だが、今回は鎌田をトップ下に起用し、南野を左サイドに配置した。

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