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3バック採用で「ポスト長友」は解決。
しかも、その人材は豊富にいる (2ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • photo by Kyodo News

 前半の日本は、カメルーンに対して高い位置からプレスをかけることができず、自陣深くまで攻め入られることが多かった。

 安西ひとりの責任でないのは当然としても、再三、彼の背後を突かれていたことを考えれば、理にかなった選手交代であり、システム変更ではあっただろう。結果的に、この交代、変更は功を奏し、守備の安定と攻撃の活性化につながっている。

 続く2試合目のコートジボワール戦。この試合では、90分を通して4-2-3-1が貫かれた。

 左SBを務めたのは、初戦で前半しかプレーしていない安西ではなく、ボランチとしてフル出場したMF中山雄太。チームとして高い位置からのプレスと、コンパクトな守備ブロックを作ってのリトリートを使い分けるなかで、中山は手堅いプレーで無失点勝利に貢献している。

 この2試合に共通するのは、左SBを務めたのがそのポジションのスペシャリストではなく、複数のポジションをこなすマルチプレーヤーだった、ということである。

 最初に先発起用された安西は、東京ヴェルディ育ちの選手らしく、技術に長け、戦術眼にも優れる。最近でこそ左SBを主戦場になりつつあるが、東京Vや鹿島アントラーズでは左右両SBに加え、一列前でもプレーしていた選手だ。

 2戦目で起用された中山も含め、彼らマルチプレーヤーの価値は非常に高い。複数のポジションを高いレベルでこなせる選手がいることは、チームにとって大きな意味を持つ。

 しかし、そうした選手がレギュラーを務めることに太鼓判を押せるかというと、話は別だ。

 実際、2試合目にフル出場した中山にしても、守備では無難に役目をこなしてはいたが、攻撃に加わるとなると、その動きはぎこちなく、質量ともに物足りなかった。1試合目にボランチでプレーしたときのほうが、数段高い可能性を感じさせた。

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