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数字的にはショボくてもベスト。アジア杯
イラク戦に日本のあるべき姿が見えた (4ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 佐野美樹●写真 photo by Sano Miki

 ボール支配率は61.1%対38.9%。スコアは1-0だったが、3-0で勝っていても何もおかしくない試合だった。「あらゆる1-0の中で、最も1-0らしくない試合」とは、試合後、筆者がノートにメモした印象だ。

 布陣は4-3-3で、メンバーは以下の通りだった(所属はいずれも当時)。

 GK川島永嗣(スタンダール・リエージュ)、DF長友佑都(インテル)、森重真人(FC東京)、吉田麻也(サウサンプトン)、酒井高徳(シュツットガルト)、MF遠藤保仁(ガンバ大阪)→今野泰幸(ガンバ大阪)、長谷部誠(フランクフルト)、香川真司(ドルトムント)、FW本田圭佑(ミラン)→武藤嘉紀(FC東京)、乾貴士(フランクフルト)→清武弘嗣(ハノーファー)、岡崎慎司(マインツ)。

 従来(ザックジャパンまで)の日本代表は、攻撃が真ん中に固まる傾向があった。ピッチを広く使うことを不得手にしていたが、監督がアギーレに代わると、そのあたりは是正された。

 2014年ブラジルW杯に臨んだザックジャパンで、4-2-3-1の3の左を務めた香川真司は、そのほとんどの時間を真ん中でプレーした。左サイドは長い時間、サイドバックの長友1人がカバーすることになった。サイドで数的不利が生じやすいこの特性を、初戦のコートジボワールは突いてきた。奪われた2失点はまさにその産物だった。

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