U‐23代表で評価を上げたのは誰か。東京五輪に残れる選手を考えた (4ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 佐野美樹●写真 photo by Sano Miki

 最終ラインを構成するCBにも、絶対的な力を感じさせる選手は現れなかった。しかし試合の展開上、力を発揮する機会が少なかったことも事実。相手に押し込まれたのは、数的不利な状況になったカタール戦の後半のみだ。この3試合をもって評価を下すことは難しいと考える。

 一番に浮上するのは、2試合にゲームキャプテンとして先発した渡辺剛(FC東京)になるが、町田浩樹(鹿島)、立田悠悟(清水エスパルス)にも、190cmを越える長身という魅力がある。

 海外組を見渡しても、実力上位と思えるのは冨安ぐらいしかいない。しかもポジションは3つ。最低でも5人は必要になると思われる。CBは生き残る確率が思いのほか高いポジションになる。

 言い換えれば、ここもオーバーエイジを起用したくなる場所ということになる。となると吉田麻也(サウサンプトン)の名前を挙げたくなるが、所属チームでまったく出場機会に恵まれない現状を見ると、先述のメンバーが生き残る可能性はより高まっているというべきだろう。

 GKは、Jリーグの新シーズンでよほど悪いプレーでも見せない限り、大迫敬介(広島)で決まりだろう。2番手との差がここまで開いているポジションも珍しい。

 フィールドプレーヤーに関しては、森保監督に3-4-2-1以外の選択肢が生まれれば、状況はガラリと一変する。五輪本大会ではどう見ても、3-4-2-1より4-2-3-1の方が、融通が利きやすいはずなのだ。

 今回、まったく出番がなかった遠藤渓太(横浜F・マリノス)などは、特にそう思っているに違いない。続投の意欲を示したという森保監督だが、だとすれば、もう少し頭の中を柔軟な思考に切り替えてほしいものである。

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