CB岡崎慎が明かす「痛恨の失点」理由。勝負時の「見極めが甘かった」
グループステージ敗退に追い込まれたシリア戦を終え、ミックスゾーンに現れた岡崎慎(FC東京→清水エスパルス)の脳裏には、ドリブルをする背番号21の後ろ姿がこびりついていた。
ゲーム終盤にカウンターを浴び、シリアのストライカー、アマハド・ダリに抜け出された。背走した岡崎はついに追いつけず、痛恨の決勝ゴールを叩き込まれてしまった。
シリア戦に3バックの中央で先発出場した岡崎慎「自分がレッド覚悟で、後ろから削ってもよかったんじゃないかって......」
中央から町田浩樹(鹿島アントラーズ)が懸命に戻っていた。中の選手が間に合うんじゃないか――。それが岡崎の判断だった。しかし、ファーサイドにも相手選手が走り込んでいた。町田はそちらへのパスコースを切るポジショニングを取った。結果、誰もダリに寄せられず、得点を許してしまう。
「本当に勝負がかかった場面での、見極めが甘かったというか」
額にあふれ出る汗を右手で拭いながら、岡崎は失点場面について振り返った。
所属するFC東京でシーズンを通してコンスタントに試合に出られなかった岡崎にとって、今大会は試合勘との戦いでもあった。
「(初戦の)サウジアラビア戦では最初、本来のキレがなく、身体も動かなくて、うまくいかないことのほうが多かったですね」
だが、それでも3バックの中央からボランチに面白いように縦パスを入れ、攻撃の起点となった。2試合目のシリア戦ではコンディションや試合勘も改善され、持ち運んだり、ロングボールを入れたりして、より一層存在感を発揮した。
相馬勇紀(名古屋グランパス)の同点ゴールが生まれる30分のシーンでも、起点となったのは、こぼれ球を拾った岡崎のミドルレンジのグラウンダーのパスだった。
「ビルドアップに関しては、自分で言うのもなんですけど、よかったと思います」
岡崎はそう認めた。だが、間髪入れずに「けど......」と続けた。
「2失点......2失点をしているので。CBをやっていて2失点したら、自分のせいになるのが普通だし、ましてや1試合目は自分がPKを与えて負けている。後悔というか、めちゃくちゃ悔しいです」
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