2020.01.14

U-23代表齊藤未月の反省があぶり出す「きれいすぎるチーム」の問題

  • 井川洋一●取材・文 text by Igawa Yoichi
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

中盤でピンチを未然につぶし続けた齊藤未月 敗北と早期敗退を告げる笛が鳴ったあと、周囲の仲間たちとは異なり、齊藤未月は一度も下を向かなかった。やるせなさ、怒り、驚き――。彼の表情には、そうした感情が映し出されているようだった。

「さっきも(フラッシュインタビューで)言いましたけど、どれだけボールを奪っても、ゴールを奪えなければ勝てないスポーツなので。負けじゃないですか、普通に。相手も強かったですし」

 試合後のミックスゾーンで、二日前に21歳になったばかりのセントラルMFはそう切り出した。やり場のない激情をなんとか押しとどめながら、胸のうちを正直に。

「最後(に決勝点を奪われたシーン)も、僕がつぶせたはずでした。あの時間帯、うちにチャンスが増えてきて。前の試合と一緒(の展開)ですけど、選手が入れ替わったこともあって、その教訓を生かせなかったと思います」

 まさかの2連敗──。アジアをリードすべき存在の日本が、AFC U-23選手権から最初に姿を消すことになった。東京五輪への予選を兼ねている大会ながら、日本は開催国として出場権を得ている。ただしそれがなければ、本戦行きを逃していたことになる。

 いや、状況が異なれば、日本はもっとやったはず──そんな意見もあるかもしれないが、現在のこのチームを見るかぎり、楽観的に捉えられるところは少ない。

 およそ半年後に本番を控えているチームなのに、明確な形がほとんど見えない。あるのは、機能性に乏しい3-4-2-1という並びだけだ。プランも、青写真も、メッセージも、何も感じられなかった。少なくとも、全体からは。