食野亮太郎はミスを恐れない。「やっぱりシュートは打ってみるもの」 (3ページ目)

  • 井川洋一●取材・文 text by Igawa Yoichi
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

「試合前の分析とは違って、相手は5バックだった。自分はその真ん中の3枚をちょっと嫌がってしまったこともあったので(下がるプレーが多かった)。それだけではなく、もっと前で動きをつけて、中に入っていかないと。降りるだけでなく、入っていかないと話にならない」

 タイで開催されているこの大会は、東京五輪の予選を兼ねているが、日本は開催国として出場権を手にしている。それでも、本番前の最後の重要な大会であることに変わりはない。敗北を知らせる終了の笛が鳴ったあと、選手たちはみな一様にうなだれていた。敗戦そのものの悔しさだけでなく、本大会のメンバー入りに向けたそれぞれの状況なども、感じるところがあったのだろう。

 エースナンバーを背負う食野は悔しさを滲ませながらも、強気な姿勢を示していた。そして、スコットランドでの成長の跡も。

 昨年11月17日のコロンビア戦では、シュートを枠に飛ばせなかったが、「スコットランドで練習して決められるようにします」と語っていた。そして今回、しっかりとそれを果たした。まだまだ満足はしない背番号10は、「もっともっと自分にハッパをかけてやっていきたい」とあらためて決意を誓った。

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