混沌のサッカー五輪代表レース。ポジション別「序列」を読み解く (4ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by Getty Images

 上記の3人に対して、E-1選手権で2試合に先発した森島はMF的だ。中国戦では活躍したが韓国戦では沈黙。プレーに甘さは残るが、雰囲気のあるプレーをする。毎度コンスタントに選ばれている三好康児(アントワープ)もMF的だ。その問題は左利きであること。11月のコロンビア戦では久保、堂安と4-2-3-1の3の列で並んでプレーしたが、バランスはよくなかった。4-3-3のインサイドハーフでプレーさせたい選手だ。

 これを、ジャマイカ戦で2ゴールをマークした旗手が追う。

 最後に1トップ。ここは上田綺世(鹿島)が一番手で、それを小川航基(水戸ホーリーホック)が追う展開だ。2シャドーの一角として出場することもある田川と前田もこちらの方が似合っている。E-1選手権では香港戦で小川がハットトリック。続く韓国戦も先発必至と思われたが、先発したのは上田だった。森保監督の評価の程が垣間見えた瞬間だった。

 しかし、上田が特別な力を備えているわけでもない。1トップはオーバーエイジ枠を使いたいポジションになる。ズバリ、大迫勇也(ブレーメン)を招集できるのか。日本の成績はそれ次第といっても過言ではない。

 総じて各ポジションに言えるのは、やはり複数のポジションをこなせる多機能型の選手が、優位な立場にあることだ。日本の東京五輪代表にも今日的な傾向が反映されている。そうした選手の能力を使いこなす森保采配にも、同時に目をこらしたい。

4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る