苦戦続きの森保Jで、スペイン人指導者が高評価した2人のアタッカー (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 佐野美樹●写真 photo by Sano Miki

 キルギス戦とベネズエラ戦、日本の出来は決していいとは言えなかった。目立った選手も少ない。その中でも、エチャリが評価した2人とは――。

南野拓実(ザルツブルク)

「キルギス戦で先発。トップの一角でプレーし、前線でボールを引き出していた。チームのコンビネーションが不調の中、攻撃のほとんどを担っていた。

 前半、酒井宏樹(マルセイユ)のクロスをヘディングで合わせ、惜しくも外れたシーンがあったが、マークを外してポジションに入るプレーは、シューターとしての存在感を見せている。ボールを受けると、相手にマークされながらも、もつれたボールをそのままシュートに持ち込む(GKにセーブされたが)など、相手に脅威を与えている。前半終了間際に得たPKも、うまく裏へ抜け出し、GKを誘うようにファウルを取った。そして、キッカーとして落ち着いて蹴りこんでいる。

 後半も、トップでコンビを組んだ永井謙佑(FC東京)と何度か連係を試みるなど、この試合は動きが際立っていた。日本代表でここ数試合、高いレベルのプレーを続けている選手だ」

中島翔哉(ポルト)

「ベネズエラ戦に左サイドMFとして先発した。前半は戦術的にチームが"風下に立った"ことで、動きが鈍かった。それでも、味方のパスカットの流れからのミドルシュートやセットプレーのお膳立てなど、攻撃の旗手としての存在感は見せていた。

 真骨頂は後半だろう。4-2-3-1のトップ下に入って、前から相手に圧力をかけられるようになり、チームを牽引した。ボールを持って前へ運ぶ意志も示した。その結果、常に複数人に囲まれ、かなりラフなファウルで止められている。相手を混乱、警戒させていたのは間違いない。審判はもっと厳しいジャッジをするべきだった。

 70分、日本が一矢を報いたシーンも、中島が起点だった。左サイド、ボールを深い位置まで持ち込み、相手のディフェンスラインを下げ、複数のディフェンスを引きつける。そしてボールを横にいた永井に下げ、中央でフリーになった山口蛍(ヴィッセル神戸)につながったところで、山口がミドルシュート。相手ディフェンスに当たって、ゴールになった。

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