2019.11.21

スペインの慧眼が森保Jの大敗を
論理的に分析「戦術が後手に回った」

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato

「スコア的に大敗すると、多くの批判に晒されることになる。しかしそういう時こそ、冷静な戦術的解釈が必要になる」

“スペインの慧眼”ミケル・エチャリはそう言って、日本代表がベネズエラに1-4と敗れた試合を振り返っている、

 エチャリは昨シーズンまで15年以上、バスク代表(FIFA非公認)監督を務めていた。その最後の試合が、昨年10月のベネズエラ戦だった。スペイン有数の戦術家は、ベネズエラを丸裸にし、ホームで4-2の勝利を飾っている。その言葉には説得力があるだろう。

「ベネズエラは日本戦の前半、ここ数年で最高のプレーをした。リーガ・エスパニョーラでプレーする、もしくはプレーしたことがある選手が多く、そもそもの質は高い。なにより彼らは前半、戦術的に日本を上回っていた」

 日本はなぜ大敗を喫したのか。

ベネズエラの強烈なプレスに、柴崎岳もたびたびボールを失った「まず、日本はこのベネズエラ戦を”強化試合”と位置づけていたはずだ。多くの主力を外し、代表経験の少ない選手を抜擢。その点、不安定な部分があるのは必然だった。

 それを踏まえたうえでのリポートだと理解してほしい。

 これまでの日本は4-2-3-1に近い4-4-2でスタートするケースが多かったが、この日は4-4-2でスタートしている。トップのキャラクターもあったのだろうか。また、バックラインは代表経験が浅い選手ばかりだった。

 そして日本は、明らかに戦術的に後手に回っている。

 ベネズエラは4-3-3(4-1-4-1とも読み取れる)だったが、左サイドに起用したロベルト・ロサレスのポジショニングが特徴的だった。本来は右利きの右サイドバックであるロサレスを、高めの左サイドバックで起用することで、原口元気(ハノーファー)、柴崎岳(デポルティーボ・ラ・コルーニャ)の2人を引きつけ、前からのプレスの威力をそぎ取っていた。これによって、ベネズエラはアンカーのベルナルド・マンサーノが常に余る形になって、ビルドアップを容易にしていたのだ。

 日本はベネズエラの攻撃の構築を見抜き、前から差し込むべきだった。しかし、むしろ前からはめ込まれ、ボールを失う回数が増えた。