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森保Jに停滞感。キルギス戦では
アジア杯決勝と同じミスを繰り返した (5ページ目)

  • 中山 淳●文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by KYODO

 そういう意味では、あの試合の教訓を生かせなかった森保監督の采配を問題視すべきだろう。対戦相手の分析、対策、そのための準備、そして試合中の修正力。この試合における指揮官は、いずれの点においても相手のクリスティニン監督に劣っていた。この試合で日本が後手を踏み続けた最大の原因だ。

「全体をコンパクトにして連動する」とは、森保ジャパンのコンセプトのひとつだったはず。そのためには、精度の高いロングキックを武器とする2番(バレリー・キチン)に蓋をしつつ、最終ラインを押し上げて全体をコンパクトにする必要があった。そうすることで、遠藤と柴崎のポジションを高くして、9番に対する圧力を強められたはず。

 しかし、最後までそれを修正できないまま、試合終了のホイッスルを聞くことになってしまった。よい守備なくしてよい攻撃はできない。サッカーの定石からしても、この試合で日本がキルギスに苦戦するのも当然だった。

 格下相手に2試合連続で苦戦を強いられた森保ジャパン。2次予選は問題なく首位通過するだろうが、このままの状態で最終予選、そしてW杯本番で成果を得ることはできるのか。ここにきて、暗雲が立ち込めてきたと言っていい。

 いま必要なのは、立ち返るべき場所に戻って自らのサッカーを再検証することだと思われる。アジアカップ以降、ベストメンバーを編成し続けても戦術的なブラッシュアップはうかがえず、むしろ停滞感から劣化へと、状態は悪化の一途を辿っているのが実情だ。

 19日のベネズエラ戦も、来年3月から再開する2次予選に向けて、しっかり目を凝らして試合内容をチェックする必要がありそうだ。

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