久保、堂安ら豪華なU-22代表。
東京五輪へ最適な組み合わせが試される

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • photo by JFA/AFLO

 11月17日に行なわれるU-22コロンビア代表戦に向けた15日のトレーニング。合流が遅かった欧州組がコンディションを上げるために、強度の高いメニューをこなした。

 その終盤のことだ。ふたりひと組のシュート練習が始まると、見学していたファンから「お〜」という感嘆の声が上がった。

 久保建英(マジョルカ)が至近距離から打ち込んだ高速パスを、堂安律(PSV)がぴたりと止めてシュートまで持ち込んだからだ。これには久保も、拍手で堂安を称えた。

 すると今度は堂安が、お返しとばかりに強いパスを久保に蹴り込む。互いを意識しているのか。普通、シュート練習は見せ場が少ないものだが、この日はピリッとした緊張感が漂い、見ていて飽きることがなかった。

コロンビア戦に向けた練習を行なう堂安(左)と久保(右)コロンビア戦に向けた練習を行なう堂安(左)と久保(右) それにしても、豪華なメンバーが揃ったものだ。

 A代表に定着している堂安、久保、板倉滉(フローニンゲン)の3人を招集し、中山雄太(ズヴォレ)、三好康児(アントワープ)、菅原由勢(AZ)、前田大然(マリティモ)、食野亮太郎(ハーツ)と合わせ、欧州組が8人もいる。

 さらに、大迫敬介(サンフレッチェ広島)、岩田智輝(大分トリニータ)、菅大輝(北海道コンサドーレ札幌)、橋岡大樹(浦和レッズ)、小川航基(水戸ホーリーホック)と、Jリーグでレギュラーポジションを掴んでいる選手も目白押しなのだ。

 中田英寿、中村俊輔、稲本潤一、高原直泰らを擁したシドニー五輪代表もタレントが豊富だったが、実力、実績ともに東京五輪代表のほうが明らかに上だろう。

 メンバー発表のあと、渡辺剛(FC東京)、田中碧(川崎フロンターレ)、遠藤渓太(横浜F・マリノス)、町田浩樹(鹿島アントラーズ)が不参加となり、もともと負傷中の冨安健洋(ボローニャ)が選出されていないが、今回のメンバーについて森保一監督が「現時点でのベスト」と語ったのも、納得がいく。

 2017年12月のタイ遠征でチームが立ち上げられて以来、これまで10回の活動が行なわれてきたが、そのすべてが海外でのものだった。

 ようやく迎えた国内初のテストマッチ――。東京オリンピック本番の9カ月前となるこの時点で、初招集の堂安を含むベストメンバーを集め、戦術、コンビネーション、コミュニケーションを深めておきたい、ということだろう。

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