2019.11.07

森保ジャパン、異例の「9人入れ替え」。
その編成をどう評価するか

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by AFLO

 W杯アジア2次予選は、オセアニア地区を除けば世界で最もレベルの低い戦いだ。そのなかでも日本が振り分けられたF組は、首位候補(日本)と他国との差が最も離れたグループになる。日本はいま、世界でも最も楽な無風区の中にいるわけだ。

 一方でサッカー界には、「W杯予選は何が起こるかわからない」という戒めの言葉がある。今回の2次予選を戦う日本が100%安心かと言えば、そうではない。何が起きるかわからないという心配は常に抱いている必要がある。

 とはいえ、だ。ここで番狂わせを許す可能性は1%あるかないかだろう。競馬で言うなら万馬券に値する。さらに日本の2次予選敗退の可能性となると、それこそ宝くじに当たるような、まず起こり得ない話になる。

 日本代表の強化は、こうした現実から逆算して考えることが道理になる。この無風区における戦いを代表強化にどう結びつけるか。有効に活用するか。

 しかし、森保一監督の頭の中にそうしたイメージはないようだ。「何が起きるかわからない」と、絶対に負けられない戦いに早くも身を投じてしまっている様子である。W杯本大会でベスト8を狙おうとしている監督が持っていなければならない余裕が、絶対的に足りていない。2次予選を戦うメンバーにそれが現れている。

 発表されたキルギス戦(11月14日)のメンバーは、従来とはいささか趣を異にした。

今回は日本代表ではなく、U‐22代表に招集された久保建英(マジョルカ) まず、選ばれても不思議のない久保建英(マジョルカ)、堂安律(PSV)の名前は、その前日に発表されたUー22コロンビア代表戦(17日)のUー22日本代表のメンバーの中にあった。彼らはその2日後に行なわれるベネズエラとの親善試合(19日)には出場せずに、1試合戦っただけで所属クラブに戻ることになっている。

 キルギス戦を戦うメンバーについても、その5日後に行なわれるベネズエラ戦に連続して選ばれている選手は23人中14人だ。残る9人(全員欧州組)は、この1試合だけで所属クラブに戻る。

 9月(ホームのパラグアイ戦とアウェーのミャンマー戦)、10月(ホームのモンゴル戦とアウェーのタジキスタン戦)はそうではなかった。招集された選手は、ケガ人など一部を除き、連戦に臨んだ。