U-17日本代表、試合前の豪雨に泣く
「全員の気持ちが左右された」
勝負である以上、勝つこともあれば、負けることもある。敗戦という結果は、もちろん残念ではあるが、仕方がない。問題なのは、その負け方だ。
グループリーグ敗退も十分にありうると思われた強豪ぞろいのグループを、しかも、2勝1分けの首位で堂々と勝ち抜いてきたチームであるにもかかわらず、その勢いをどこかに置き忘れてきてしまったかのような、何とも歯がゆい負け方だった。
U-17ワールドカップ決勝トーナメント1回戦。日本はメキシコに0-2で敗れ、準々決勝進出はならなかった。目標としていたベスト4進出はおろか、この大会での日本の過去最高成績に並ぶ、ベスト8へ進むこともできずに、決勝トーナメント1回戦敗退である。
「なんかこう......、上に行ける気がしていただけに、ショックも大きい」
試合後、取材エリアに姿を現した森山佳郎監督は、表情をこわばらせ、開口一番そう語った。
前の試合から中2日のメキシコに対し、日本は中3日。日本には、日程上のアドバンテージがあるうえ、グループリーグ最後のセネガル戦では、数多くのピンチをしのぎ、ワンチャンスを生かしての劇的な勝利。日本は最高の雰囲気で、このメキシコ戦を迎えられたはずだった。
しかし、である。森山監督が困惑気味に語る。
「(試合の)最初の(ギアの)上がらなさには、ちょっとビックリした部分もあった」
指揮官がそう語るように、日本は試合序盤、メキシコに好きなようにパスをつながれ、立て続けに決定的なピンチを招いた。幸いにして、GK鈴木彩艶が好セーブでゴールこそ許さなかったものの、日本は立ち上がりから「全然ボールへ(プレッシャーをかけに)いけなかった」(森山監督)。
その原因のひとつには、キャプテンにしてセンターバックのDF半田陸や、ボール奪取に優れたボランチのMF田中聡といった「守備的な選手が、今日はケガで出場できなかったのが、(理由として)あったのかもしれない」と森山監督。
と同時に、試合直前にスタジアムを襲った悪天候が、少なからず日本の選手たちの心理面に影響を及ぼした可能性は否定できない。
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