2019.10.19

スペインの知将が日本代表4人を称賛。
南野拓実の輝きぶりに感嘆した

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Fujita Masato

モンゴル戦、タジキスタン戦で計3ゴールを決めた南野拓実「相手との力量差を考えれば、モンゴル、タジキスタンとの2試合は、”イージーなゲーム”だった。しかし、簡単な試合など存在しない。イージーな試合を戦う難しさもある。そのなかで日本の選手たちは集中してプレーすることができていた」

“スペインの名伯楽”ミケル・エチャリ(73歳)は、W杯アジア2次予選「10月シリーズ」をそう振り返っている。

 ホセバ・エチェベリア、フランシスコ・デ・ペドロ、シャビ・アロンソなど、スペインを代表する選手たちに影響を与えてきたエチャリは、現場で選手を扱う難しさを肌で知っている。本当の意味で簡単な試合はない。そして、たったひとつの試合で、チームの歯車が狂うこともある。

「この2試合で日本の選手たちはポジティブなプレー姿勢を見せている。相手が格下でも、少しも侮らなかった。常に攻守のバランスを保ち、無失点に抑えた。その点は、正当に評価すべきだろう。2試合で複数の選手がプレーし、層の厚さも見せている。たとえば、モンゴル戦に出場した伊東純也(ゲンク)、遠藤航(シュツットガルト)、鎌田大地(フランクフルト)、安西幸輝(ポルティモネンセ)は、これまでの主力と遜色のない能力を示した」

 そしてエチャリは、10月シリーズでとくに目立った4人の選手の名前を挙げ、次のように評価している。

■南野拓実(ザルツブルク)

「モンゴル戦、右サイドとの連係を中心に才能の輝きを見せた。伊東との壁パスなど、コンビネーションプレーの質が高かった。プレーの連続性を感じさせる。セカンドボールに対するポジション取りや準備もよく、高い集中力で常にゲームにコミットできている。

南野を初めて見たのは、2013年、セレッソ大阪時代のJリーグの試合だった。当時のスカウティングでは、『俊敏で、フィジカルインテンシティも平均以上。フェイントをかけながら右足でインサイドに入り、ダイアゴナルの動きでピッチを広く、有効に使えるプレーは非凡だ。スピードを生かし、的確な技術でシュートコースに入る才覚を感じる。しかし、周りの選手との連係がうまくいっていない。柿谷曜一朗とは唯一、相互理解が成立しているが、まだコミュニケーションに難がある』と、メモに記している。