2019.10.12

U-22日本代表に新戦力が続々。
食野亮太郎は初陣ゴールで爪痕残す

  • 飯尾篤史●取材・文・撮影 text & photo by Iio Atsushi

 挨拶代わりの一発――。そう言ってもいいだろう。U-20サンパウロとの練習試合で、U-22日本代表デビューを果たした食野亮太郎(ハーツ)のことだ。

 キックオフ直後からディフェンスラインと駆け引きしながら裏を狙っていた1トップの食野に、前半13分、シャドーの三笘薫(筑波大)からパスが出る。ボールを収めた食野が鋭い動きでDFをかわして右足を強振すると、ボールはGKに当たってそのままゴールネットに吸い込まれた。

U-22日本代表に初めて招集された食野亮太郎(前列中央) 今遠征の本番は、4日後に組まれたU-22ブラジル代表との親善試合。サンパウロ戦はあくまでも練習試合に過ぎないが、「初めての試合なので、みんな僕のことをまだあまりわかっていないと思う」と語っていた食野にとって、初陣での初ゴールは”食野亮太郎とは何者か”を知ってもらううえで、大きな意味を持つに違いない。

 夏まで所属したガンバ大阪では、J3でプレーしたU-23時代も含め、ゴールに向かう姿勢と得点感覚に定評があった。そうした能力と将来性が買われ、今夏マンチェスター・シティの一員となり、現在はレンタル先のスコットランドのハーツで研鑽を積んでいる。出場2試合目となった9月14日のマザーウェル戦では、初ゴールもマークした。

 そのため、「代表に選ばれてもおかしくない」という声が根強くあったが、本人は謙虚な姿勢を見せている。

「世間は『やっと(選ばれた)か』っていう感じだったみたいですけど、僕自身はそうは思っていなくて。今までと同じようにサッカーに取り組んできて、最近たまたまいいプレーができていたから呼んでもらえたのかなって」

 だが、その後の言葉に、ストライカーとしてのプライドがにじみ出ていた。

「これまではホンマに選ばれたことがなかったので、代表がどういうところかわからなかったんですけど、呼んでもらったからには爪痕を残して帰ってやろう、という気持ちはありましたね」

 プレーしたのは前半の45分間。そのうち、少なくとももう1点は獲れるチャンスがあったため、「ああいうのを決めないと、この先、生き残れない」と悔やんでいたが、爪痕をひとつ残したのは確かだろう。