U-22のエース上田綺世。
ストライカーとしての本質をさらけ出した
東京五輪を目指す若きフットボーラーたち(7)
鹿島アントラーズ・上田綺世@前編
久しぶりに現われた、生粋のストライカーだ。実業団のサッカーチームでFWとしてプレーしていた父の背中を追ってサッカーを始め、点を獲ることに何よりも執着してきた。
父と一緒にサッカーを観ていたから、当時の憧れはガブリエル・バティストゥータ(元アルゼンチン代表)やフィリッポ・インザーギ(元イタリア代表)といった、ひと昔前のストライカーたち。東京五輪世代であるU-22日本代表のエース格で、法政大の3年生ながら今年7月に鹿島アントラーズとプロ契約を結んだ上田綺世。ストライカーとしての美学・哲学・本質に迫る。
「東京五輪を目指す若きフットボーラーたち」(1)から読む>>>FW上田綺世(うえだ・あやせ)1998年8月28日、茨城県生まれ。法政大出身―― "ストライカー上田綺世"をよく知るための質問を5つ用意してきました。どれもシンプルな質問なので、YES、NOで答えてください。
上田綺世(以下:上田) YESかNOですね。わかりました。
―― 自分のことをエゴイストだと思っている。
上田 難しいな......どちらかと言えば、YESなんじゃないですか。
―― 自分は"持っている"と思う。
上田 YES。
―― 即答ですね。では、自分はメンタルが強い。
上田 うーん、YESにしておきます。
―― 自分のことが好きだ。
上田 YES。
―― では最後。可能なら、なり代わってみたいFWがいる。
上田 NO。
―― なるほど。では、最初の答えから詳しく聞いていきます。エゴイストの定義はさまざまなので、答えるのが難しかったと思いますが、どういう点で自分のことをエゴイストだと?
上田 FWが上に行くには、結果がすべて。そこには絶対にこだわらないといけないですけど、チームを勝たせるということが軸としてあるわけで。そこがブレてしまうのは、僕は違うと思っていて。
自分がチームを勝たせるっていうのが、僕の考えるエゴイスト。チームの結果よりも自分の結果を求めてしまうのは、ただの自分勝手だと思います。そうは絶対になりたくない。チームが結果を残すことに貢献できるストライカーでありたいと思っています。
―― 俺がチームを勝たせる、みたいな感覚?
上田 勝たせるっていうのとは、ちょっと違って。チームが勝つために自分が点を獲る必要があるから、点を獲る。もし、僕の仕事が失点を3つ阻止することなら、それをすべき。ただ、僕のポジションの特性や自分の特徴を考えた時、得点を奪うことが最も必要とされているので、それを全うするのが義務だと思っています。
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