東京五輪まで1年。なでしこが
W杯での敗戦から学ぶべきこと (3ページ目)
「相手はひとりでこちらのマークを剥がすことができる」と世界との差を語った三浦。一瞬でも判断が遅れれば致命傷になってしまうが、この感覚を持っていれば、まだ伸びしろがありそうだ。課題はあるが、この2人ならあと一年でさらに成長してくるはずだ。
攻撃面では、オランダ戦で同点ゴールを決めた長谷川、闘志全開でゴールを狙い続けた籾木らがアクセントを加えていた。ワンタッチプレーやダイレクトパスが絡んで生まれたチャンスも多く、収穫のひとつと言える。相手にスピードがある分、日本はパス展開で隙を突く形で崩すしかない。
パスワークを極めるのであれば、パススピードを数段階上げる必要がある。スピードがない弱いパスはすぐに奪われ、次の瞬間にはカウンターを受ける。今大会は、このパターンを嫌というほど目にした。ボールの出所を押さえる守備が効果を見せていただけに、こうした失い方は最低限にとどめたいところだ。
高倉監督は、「まだ引き出しすら開けていない」とオランダ戦の前に現状を表現していた。その言葉通り、W杯では一度も狙い通りの試合ができずに終わってしまった印象がある。
実際、日本はオランダ戦を乗り越えれば、そのあとのイタリア、スウェーデンという相手とは十分に戦える算段はあったといえる。ただ、オランダ戦を乗り越えていくことでしか掴めないものもあった。それは"勝負強さ"だ。
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