2019.07.05

スペインの名伯楽がコパの日本選手を
個別評価。「優ではないが良」

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Watanabe Koji

「大会を通して、及第点を与えられる出来だった」

 スペイン人指導者ミケル・エチャリ(72歳)は、コパ・アメリカを戦った日本の3試合をまとめてこう語っている。

「グループステージで敗退しただけに、『優・良・可・不可』のうち『優』は与えられなくても、『良』は与えられるだろう。チリ戦の0-4は、内容がスコアに反映されていない。ウルグアイ、エクアドル戦では拮抗したプレーを見せた。最初は、あまりにメンバーが替わっていたことに驚いたが、若い選手たちは堂々と戦って、貴重な経験を積んだはずだ」

 エチャリはそのスカウティング能力と戦術理論の2点で、高い評価を受けている。ホセバ・エチェベリア、ハビエル・デ・ペドロ、シャビ・アロンソなどスペイン代表となった選手たちに強い影響を与えてきた。フアン・マヌエル・リージョ、ウナイ・エメリといった名将も師事、「ポジション的優位」などの戦術論は欧州でスタンダードになっている。

「選手はいつでも、どこにいても、やるべきことがある。ボールを持っているときも、持っていないときも」

 ディテールにこだわる感覚と理論の両方で、エチャリは南米の地で戦った日本人選手たちのプレーに考察を加えた。

3戦とも日本代表の指揮者としてチームを動かしていた柴崎岳GK
大迫敬介(サンフレッチェ広島)

 チリ戦に出場。4失点目では、飛び出す判断をしたが、FWに鼻先で合わせられてしまい、やらずもがなの得点を与えた。しかし終了間際には、右サイドを破られてシュートを打たれたピンチを、しっかりブロックし、冷静に攻撃へつなげた。失点は多かったが、試合を通じて的確なプレーをしていた。

川島永嗣(ストラスブール)

 ウルグアイ戦とエクアドル戦に出場。ウルグアイ戦は試合を通じ、正しいポジションを取って、シュートに対応した。後半途中、エディンソン・カバーニとの1対1を制したシーンは、試合の分岐点となった。ルイス・スアレスには強烈なミドルを打たれたが、これも高い技術でセービングした。

 エクアドル戦では前半、自陣でパスミスしてあっさりボールを奪われ、絶体絶命のピンチだったが、自らキャッチした。集中は欠いていない。その直後に、冨安健洋がボールを奪われた瞬間、迅速な対応で危機を防いでいる。後半には、左サイドからのクロスをキャッチしようとして前にこぼし、詰められそうになるシーンがあったが、素早く動いてつかみ直した。