2019.07.04

スペインの慧眼が森保Jを激励。
「不安定さはあるが胸を張って前進を」

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Watanabe Koji

「試合を通じて、エクアドルは秀逸なプレッシャーを前線からかけていた。日本陣内で何度かボールを奪い返し、決定機を迎えている。日本がその規律と強度に苦しんだのは事実だろう」

 “スペインの慧眼”ミケル・エチャリ(72歳)は、コパ・アメリカで日本がエクアドルに1-1で引き分けたゲームについて、そう考察を加えた。

 エチャリは今回のコパ・アメリカを通じて、日本の攻守を高く評価してきた。0-4で敗れ、批判を浴びたチリ戦でさえ、むしろ「不当な結果」と訴えている。ウルグアイ戦の善戦も予期していた。ただ、エクアドル戦に関しては、攻撃面のクオリティを称賛しつつ、課題を挙げている。

「指摘すべき点は、まだ他にもある」

 レアル・ソシエダ、エイバル、アラベスなどで要職を務めてきたエチャリは、エクアドル戦で何を目にしたのか?

エクアドルと引き分け、決勝トーナメント進出を逃した日本代表「日本はチリ戦、ウルグアイ戦と同じように、4-4-2、もしくは4-2-3-1の布陣で挑んでいる。勝ち上がるためには勝利が絶対条件。とは言え、立ち上がりは慎重にならざるを得なかった。

 エクアドルは日本の戦い方を研究してきたのだろう。前線から強度の高いプレッシングを仕掛けている。4-1-4-1の布陣で、1トップはセンターバックのコースを切るのが通例だが、それだけでなく、前線の選手それぞれが素早い出足で出どころにフタした。MF柴崎岳(ヘタフェ)が下がってボールを受けても、包囲の手を緩めていない。

 日本もプレッシングで対抗していたものの、後手に回った。たとえば前半11分、日本は自陣での植田直通(セルクル・ブルージュ)の久保建英(レアル・マドリード)へのパスを、後ろから突かれている。裏返される形で、ボランチが背後を取られ、エネル・バレンシアに強烈なシュートを打たれた。日本はビルドアップにまごついており、その点、形勢は悪かった。

 ただ、攻撃面で怯んではいない。ピンチの直後、再び植田からのパスを受けた久保がチャージをかわしながら力強く前へ持ち運び、左前方の中島翔哉(アル・ドゥハイル)へパス。中島はミドルシュートを放ち、エクアドルを脅かした。日本はコンビネーションを使って果敢に攻め続け、攻撃に活路を見出していた。