コパ・アメリカで森保ジャパンの若手に学んでほしいこと
■日本代表は東京五輪世代を主体にしたメンバー構成でコパ・アメリカに挑み、初戦は前回大会王者のチリを相手に0-4と大差で敗戦。次戦の相手は強豪のウルグアイ。選手招集に制限のあるなかでも手腕を発揮する森保一監督が、若手選手たちをどう導くのか。元日本代表の福田正博氏に注目ポイントを聞いた。
チリに大敗した森保ジャパン。次はウルグアイと対戦する 森保監督はサンフレッチェ広島を率いた6年間では、2012年、2013年、2015年とJリーグを3度制覇したが、これは主力を毎シーズンのように引き抜かれながら、その穴を若手の登用でカバーして成し遂げたものだった。
世代交代をしたくて、やったわけではない。新しい選手を使わざるを得ない状況に置かれたなかで、手もとにいる選手の力を見極めて、特徴に合わせて臨機応変にチームをつくった結果だった。
そうした広島時代と、今回のコパ・アメリカは似たような状況にある。本来ならば南米各国が本気の戦いをする舞台には、フルメンバーの日本代表で臨みたかったはずだ。しかし、さまざまな制約があるなかで、若手にチャンスを与えざるを得ない状況となってしまったが、それでも森保監督なら若い選手たちのレベルを大きく引き上げる機会に変えてくれるのではないかと期待している。
久保建英を含む東京五輪世代の選手にとって、FW岡崎慎司、MF中島翔哉と柴崎岳、DF植田直通、GK川島永嗣という経験豊富な選手たちと3~4週間ほど一緒に過ごせるメリットは大きい。とりわけ、岡崎や川島は、ピッチ外での振る舞いも模範的だからこそ、長く日本代表を務めることができているのだ。試合に向けての準備や、試合に出られない場合のベンチでの振る舞い。そうしたものを若い世代はしっかりと学んでもらいたい。
守備陣はGKには広島でブレイク中の大迫敬介がメンバー入りして、冨安健洋を軸に、植田直通や板倉滉、立田悠悟らを組み合わせて、中盤の守備的な位置には柴崎岳と、もうひとりを中山雄太、渡辺皓太、松本泰志らがつとめるのだろう。
いまや日本代表でも圧倒的な存在感を示している冨安は、1対1、フィード能力、空中戦とどれも高い能力があるが、展開の先を読む力がとても高い。若い選手は試合によって波があるものだが、冨安は予測力が高く安定感があり、なにより一歩目の動き出しが抜群に早い。
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