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チリ戦4失点の冨安と植田の思い。
「少しの差が、ここまで開くのか」 (2ページ目)

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by AFLO

「そうですね。もちろん、もう少しカバーにいってあげられればよかったですが、もし僕が早めに(サイドのカバーに)いってしまったら、中でやられていたかもしれない。そこは割り切って、最後は中で守るという感覚でやっていました」

 右サイドのマークは、前田がSBジャン・ボーセジュール(ウニベルシダ・デ・チレ)に、原輝綺(サガン鳥栖)がFWアレクシス・サンチェス(マンチェスター・ユナイテッド)について、どちらも噛み合っていた。

 ただ、試合の流れがチリに傾いてから、日本が左右に揺さぶられてしまったこと、さらには個の差が歴然とし始めたことから、右サイドもチリに攻略されてしまった。そのメカニズムを、植田はこう語る。

「前半は耐えましたが、後半はペナルティエリアの中に入られて、両サイドからクロスを上げられてしまった。あそこ(ペナルディエリア内に入られた状態)で上げられると、ほぼ得点につながる。あそこに入る前、そしてクロスを上げさせる前の守備を徹底させないといけない」

 彼我の力の差は明らかながら、0-2となったあとに訪れたチャンスで日本が1点でも決めていれば、追いつくことも可能なゲームだったと思う。ただ、植田はより大きな手応えを掴んでいたようだ。

「最初(の日本ペースだった時間帯)のところや(その後も)試合をやっていて、『自分たちはやれる』という思いは強い。この相手に負けてしまって悔しい。でもいつも、僕は『勝てた』と感じた試合ほど、こういう思いになる。言葉で表わすのは難しいですが、見えないところにそういう差がすごくあると思う。そのちょっとした差が、ここまで開くのかなと」

「そのちょっとした差」のヒントになりそうなのが、冨安のコメントにあった。

「日本はグラウンドが綺麗ですし、『日本人はテクニックがある』と言われがちですが、悪いグラウンドでのテクニックは、こっち(南米)の選手のほうがあると思う。それは、ベルギーに行ってから感じたこと。僕らもやっていくしかない」

 あらためて言うが、4失点を喫したチームのCBを褒めるつもりはない。ただ、このふたりに頼もしさを感じたのも、また確かだった。

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