2019.06.17

久保建英の武器を福田正博が分析。「スター誕生。新時代が始まる」

  • 津金壱郎●構成 text by Tsugane Ichiro
  • photo by Getty Images

福田正博 フットボール原論

■6月9日のエルサルバドル戦で日本代表デビュー後、レアル・マドリードへの移籍が決まった久保建英。18歳の新星はこれからどれだけ伸びていくのか。その特長はどこにあるのか。元日本代表の福田正博氏が分析した。

 新しいスターの誕生。初めて日本代表ジャージに袖を通した久保建英は、それくらい輝きを放っていた。

レアル・マドリードへの移籍が決まった久保建英 久保はキリンチャレンジカップのエルサルバドル戦で日本代表デビューを果たしたが、試合前、森保一監督は久保の起用について慎重な回答をしていたため、久保に与えられるプレー時間は長くて10分程度と予想していた。しかし、実際にはその2倍ほどの時間が与えられ、『18歳の現在の久保』が持っているテクニックとスピード、そして判断力をすべて発揮してくれた。

 久保は後半22分に南野拓実に代わって4−2−3−1のトップ下に入ると、後半28分過ぎには早速、才能の片鱗を見せた。右サイドを大迫勇也とのワンツーから抜け出すと、対応にきた相手DF2人の間をドリブルで割って入ってペナルティーエリアに進入し、左足でシュート。これはGKに阻まれたものの、その後もチームの起点となって存在感を存分に見せてくれた。

 彼の技術はもちろん、状況に応じて正しく判断する能力としてのスキルについても申し分ないことは誰しもがわかっていた。久保は「普段どおりのプレーができた」と言っていたが、代表デビュー戦の18歳があれだけ注目されていた中で、気負いなく普段どおりのプレーを見せてくれた。

 久保を見ながら感じたのは、圧倒的に技術を高め、それに裏打ちされた判断能力を持つ選手は、メンタル面もきちんと整理されているということ。試合で結果の出せなかった選手が「メンタルが足りなかった……」と反省するケースは多い。しかし、メンタルの課題を口にする選手に本当に足りていないのは、練習であり、技術であり、それを活かすためのスキルだとあらためて思わされた。

 久保がスタジアムにいる人たちの期待を上回るプレーを見せることができたのは、彼には、「判断のともなう技術」があるから。顕著だったのは冒頭で紹介したドリブルでDF2人を置き去りにしたシーン。久保は顔を上げて首を振って周囲の状況を確認しながらプレーをしていたからこそ、スペースを見つけられたのだ。