イタリア人記者が見たU―20日本「システムが研究、工夫されている」 (2ページ目)

  • パオロ・フォルコリン●文 text by Paolo Forcolin
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 日本の中盤はMF齊藤未月の知性を中心に回っていた。それほどスピードはないが、よくボールを通していた。もうひとりのMF斎藤光毅は俊敏かつボールコントロールが巧みで、90分間ずっと、イタリアをいら立たせていた。

 攻撃陣で印象に残ったのはFW田川享介だ。よく動いてイタリアのファウルを誘っており、負傷してピッチを後にしたのは残念だった。MF山田康太も攻撃を組み立ててチームに貢献していたし、田川と交代で入ったMF中村敬斗も果敢に切り込んでいた。

 影山ジャパンの大きな武器は、敵に付け入る隙を与えず、デュエルで常に相手を凌駕しようとするところだ。システムもよく研究され、工夫されている。たとえばセットプレーのときには、いつもひとりの選手をフリーにしておき、最後に数センチを補うようにしていた。

 では、日本の弱点は? それはゴール前での精度の低さだろう。この試合でも見ている日本人ががっかりするような、そしてイタリア人にとっては安堵するシュートが多くあった。この点は今後の大きな課題だろう。

 それでも日本のパフォーマンスは、この試合のテレビ中継で解説を務めていた、元イタリア代表のジュゼッペ・ベルゴミをも満足させたようだ。日本について彼はこうコメントしている。

「戦術、テクニック、フィジカルの3拍子がこれほどそろったチームになるとは、数年前の日本からは想像もできなかった。ピッチ上の動きは大いに成長している」

 私もその意見に同意する。彼らが今後どのような成長を見せるのか、楽しみだ。

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