なぜ黄金世代のサッカーは「一度味わうと、ほんまにヤバイ」のか?
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世界2位の快挙から20年......
今だから語る「黄金世代」の実態
第3回:辻本茂輝(後編)
20年前、世界2位という結果を残したU-20日本代表。photo by Yanagawa Go 1999年ワールドユース(現U-20W杯)ナイジェリア大会。世界大会ベスト8の壁を破ったU-20日本代表は、準決勝に駒を進めた。
対戦相手は、ウルグアイだった。ウルグアイは準々決勝で強豪ブラジルを撃破し、勢いに乗っていた。
それでも前半23分、高原直泰のゴールで日本が先制。直後に同点ゴールを許すも、35分、永井雄一郎が相手を突き放すゴールを決めて、日本が2-1とリードを奪った。
すぐさま、ウルグアイは牙をむいてきた。日本の"フラット3"の弱点を読んで、日本のDF陣がラインを上げるとその裏にロングボールを蹴り込み、逆にラインを下げるとパスをつないで揺さぶりをかけてきた。
フィリップ・トルシエ監督はウルグアイに主導権を握られることを危惧し、後半からボランチの遠藤保仁と左アウトサイドの本山雅志を下げて、稲本潤一と加地亮を投入。ウルグアイの布陣に合わせて4バックで対応した。しかしわずか11分後、稲本に代えて石川達也を送り込んで3バックに戻した。
リードして以降、日本はウルグアイの攻撃を跳ね返すことに終始していた。だが、最後まで粘り強い守備を見せて2-1で勝利。相手の強力FWディエゴ・フォルランやエルネスト・チェバントンらの対応に追われたDF辻本茂輝は、その死闘をこう振り返った。
「後半はずっと危ないシーンが続いて、守るだけの"地獄"やった。でも、不思議と負ける気はしなかった。みんな、『何くそ! ここで負けてたまるか』っていう気持ちの強さを見せた。技術とか戦術とかじゃなくて、最後は気持ちで勝ち取った試合やったと思う」
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