もはや1ストライカーにあらず。大迫勇也が「自分に責任」と言う理由 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

「サコくんが入ったことはすごく大きかったし、やはり2列目は彼がいることによって生きた。(ここまで)彼がいないなかでもしっかり勝ち切ってこられたというのは、チームとして成長している部分かな、と」

 まさに全幅の信頼を寄せられていた。いるといないとではチームが変わってしまう。大迫が現在の日本代表においてそういう選手だということが、あらためて確認できたアジア杯となった。

 大迫はロシアW杯の前から、「(日本の)攻撃の出来は自分の出来次第」と語るなど、中核選手としての強い自覚を口にし始めていた。ただ、当時それは、プレーにおいてチームの中心であるという意味合いだった。今はそれが、精神的な面にまで及んでいるように思う。
  
 決勝のカタール戦で、ベンチは相手の布陣を読み切れなかった。4バックでくるか5バックでくるかがわからず、それに対してピッチ内でフレキシブルに対応することもできなかった。大迫は言う。

「相手が4バックでくるか5バックでくるかわからない状況で、自分たちが後手を踏んでしまったのが事実です。本当に反省しなくちゃいけない。経験のある選手が、もっと試合のなかで変えるべきだったと思うし、そこは申し訳ない気持ちはあります」

 経験のある選手とは、大迫自身を始めたロシアW杯経験組のこと。そこには自分たちがピッチ内で判断しなくてはいけなかったという反省があった。最近の大迫からは「ゲームの流れを変える」というフレーズもよく聞かれる。それも、ピッチ内の自分たちで判断し、相手に対応していく必要があるという意識からだろう。

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る