女子サッカー3冠達成。ベレーザが追求する理想のスタイルは超難解だ (3ページ目)
延長戦――試合を決めたのは、後半に入り全得点に絡む動きを見せていた籾木。DFライン裏へ出た田中のトラップがこぼれたところへ走り込み、ギリギリの角度から再び勝ち越しゴールを叩き込んだ。
「逆転した後に同点にされたときはさすがに"あ~......"って少し落ち込みかけましたけど、この1年自分たちがやってきたサッカーと、試合の中でも前半から積み上げたものが後半や延長戦のゴールにつながった。すごく自信を持って臨めた試合でした」(籾木)
ケガからの復帰から始まった2018シーズンは、籾木にとって試練の年でもあった。それでも、「大きな成長の年だった」と胸を張る。
"進んでは戻り、戻ってはまた進む"。今シーズン、ベレーザの選手がよく口にしていた言葉だ。目指すスタイルはそれだけつかみどころがなく、ピッチ上で形にしていくことは難しい。3冠という結果を出しながら誰にも真似できない理想を追求し続けていることこそ、ベレーザが比類なきチームであることの証明だ。
そのベレーザをあと一歩のところまで追いつめたINAC。最後は4失点での敗戦となったが、ここにも差し込む光はあった。
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