五輪世代・立田悠悟は、森保監督が落とした雷で「スイッチが入った」 (2ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki, AFLO

―― 印象的だったのが準々決勝のサウジアラビア戦。相手の9番(身長190cmの本格派ストライカーのムサ・カマラ)が強烈で、前日には立田選手もかなり警戒していた。でも、試合では大南琢磨選手(ジュビロ磐田)とうまく連係を取って対応し、むしろ楽しんでいるように感じられました。

立田 たしかにサウジアラビア戦はひとつのきっかけだったかもしれませんね。ミーティングで映像を見たときは、「すげえな、ちょっとヤバイな」と思ったんです。でも、実際に対戦したら、相手も疲れていたんでしょうけど、通用しない相手じゃないなって。あのような抜きん出た選手に対応できたのは自信になりました。

―― 日韓戦は初めての経験だったと思いますが、雰囲気も含めてどうでした?

立田 静岡ダービーじゃないですけど、やはり独特なものがありました。そうした雰囲気に自分たちが飲まれたわけではないですけど、韓国のほうが気持ちは入っていたから、延長戦で2点を獲られたりして、差が出てしまったのかなと。技術うんぬんではなく、気持ちの面で勝てなかったという想いが強いので、すごく反省しています。

―― ソン・フンミン(トッテナム・ホットスパー)やイ・スンウ(ベローナ)といった、欧州の舞台で戦っている選手とも対峙する場面がありました。差を感じた? それとも手応えを得られた?

立田 自分は今、1対1の守備が強みになってきていて、彼らと対峙しても負けない場面が何度かあったのは自信になりました。エスパルスで今、サイドバックをやっている経験が、3バックでプレーしたときに生きたと感じます。どんな選手が相手でも変わらず、しっかり対応できたんじゃないかと。

―― サイドバックをやっていることで得られた経験というのは?

立田 センターバックしかやってなかったら、たぶんリアクションの守備しかできなかったと思うんです。でも、アジア大会では相手のファーストタッチを狙うとか、自分からアクションを起こす守備ができた。それは、サイドバックをやったからこそ。アジア大会はエスパルスでサイドバックをやって自信がついてきたなかで迎えたので、自分にできるプレー、できないプレーが明確でしたし、割り切ってプレーすることができたのがよかったなって思います。

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