タレント揃いのU-19日本代表、世界へ。黄金世代を超える「期待度」 (4ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 佐藤博之●撮影 photo by Sato Hiroyuki

「(アウェーの)雰囲気に飲まれないようにと、みんなで言っていたが、後半はインドネシアが圧力をかけてきて、ボールも支配された。でも、ボランチ、DFラインを含めて、みんなでじっくり守れた」

 そして、濡れたピッチに何度も体を投げ出し、堅守を支え続けた背番号7は、誇らしげにこう続けた。

「今日が今大会のベストゲームだと思う」

 今大会の日本は、圧倒的な強さでここまで勝ち上がってきた。グループリーグの3試合すべてで、前半なかばまでに先制点を奪うなど、点を取ることには苦労がなかった。FW久保建英(横浜F・マリノス)ばかりが大きな注目を集めるが、その他にも、すでにJ1で出場機会を手にしている選手が多いこの世代は、タレントぞろいとの前評判に違わぬ強さを見せつけていた。

 だがその一方で、楽な勝ち上がりに不安もあった。なかなか点が取れない展開になったとき、焦りが生まれ、完全アウェーの雰囲気も手伝って、我を失ってしまうのではないか。

 しかし、彼らは競り合っても慌てなかった。耐える時間はしっかりと耐え、来るべきチャンスを待ち続けた。

 最後は逆に、焦るインドネシアのスキを突くように、久保とのパス交換で右サイドを突破したFW宮代大聖(川崎フロンターレU-18)が2点目を決め、勝負の決着をつけた。齊藤が笑顔で振り返る。

「最後のところで体を張るとか、シュートブロックをするということはできていたので、そんなに失点の心配はしていなかった。もう1点取れたら、試合は終わるなと思っていたし、結果的にそういうゲームになってよかった」

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