小柄なことは武器。中島、南野、堂安が示す「日本人のよさ」 (2ページ目)
南野は森保新体制のもとで3戦すべてに出場して3戦連続で4得点。ゴール前での技術力やアイデアを持っているし、フィニッシュへの冷静さを発揮している。シュートチャンスでもしっかりGKを見て、駆け引きしてシュートを打てている。彼の最大の魅力は反転力とでも言うべきターン技術。大柄なDFが苦手にする小回りが利く動きができるうえに、欧州でのプレーを重ねることでDFを背負う強さも身に着けてきた。それが元から持っていた得点感覚と結びついたのだろう。いまペナルティボックスのなかで南野がボールを持てば、何かをやってくれる期待感がある。
堂安がウルグアイ戦で見せた代表初ゴールも非凡なものだった。ゴールを決めたシュートシーンは、体を開いて近いサイドに打つと見せかけてGKの体勢を崩し、その姿勢から逆サイドへと流し込んだ。ボールはGKのすぐそばを通っているが、体勢が崩されているからGKは触れない。ああいうシュートは教えてもなかなかできることではなく天性のもの。しかも、堂安の凄さはゴールへ貪欲な意識があるけれど、何でもかんでもひとりでやろうとしていないところ。まだ20歳なのに、まわりをうまく使いながらプレーして、自分らしさを出そうとしている。末恐ろしさを覚える存在だ。
中島もフィニッシュへの高い意識を見せてくれた。彼はドリブルがクローズアップされるが、彼のドリブルの良さは相手を抜くことが目的ではなく、シュートを打つために相手を抜きにかかっているところにある。ゴールへの意識が高いからこそ、ウルグアイ戦の先制点のシーンのような決定的なラストパスにもつながっている。
彼らを見ていると、日本人選手が海外のクラブで日常的に体の大きな選手たちと対戦している意味が出ていた。つまり、大柄で屈強なDFを相手に、小柄であることを武器として活用できている。国内にいるだけでは積めない経験を重ね、日本代表でそうした日本人のよさを発揮していた。
それができるのも森保監督のマネジメントがあればこそ。森保監督は自分がやり慣れているシステムに選手たちを押し込めたりせずに、選手たちの能力が最大限に発揮できるフォーメーションを敷いている。
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