小さくても大丈夫。メッシのような中島翔哉がさらに成長する予感 (2ページ目)

  • 井川洋一●取材・文 text by Igawa Yoichi 松岡健三郎●撮影 photo by Matsuoka Kenzaburo

 新潟でのパナマ戦の後に、出番のなかった中島に尋ねてみた。スポルティングのような相手にあれほどの活躍ができた要因は何だと思うか、と。

「どの試合でも楽しくサッカーをして、チームの勝利に貢献したいです。相手がどこでも同じように、全力でやろうと思っています」

 中島はちょっとはにかんだ表情でそう言った。まじりけなしのサッカー小僧。そんな印象を受けた。では、ポルトガルであなたが得たものといえば?

「よりサッカーを楽しめています。自分にすごく合っているチームでプレーできているので、やっていてすごく面白いし、成長もできているのかな」

 迎えたウルグアイ戦で、中島はその言葉どおり、楽しそうにプレーしていた。序盤から何度も勝負を仕掛け、DFの間に完璧なパスを通し、南野拓実(ザルツブルク)の先制点をお膳立てした。プレーは素早く丁寧で、背後の長友佑都(ガラタサライ)との連係もスムーズ。強烈な一撃でGKを強襲し、大迫勇也(ブレーメン)のチーム2点目につなげた。セットプレーのキックも正確だった。

 ゴールに直結するプレーはそれ以上なかったが、その後も果敢にドリブル勝負を挑み、遠目から積極的にシュートを放った。左サイドで背番号10にボールが渡ると、日本の攻撃が加速する。中島の素早く小刻みな仕掛けには、ラツィオのマルティン・カセレスも、アーセナルのルーカス・トレイラも、そして10 日前に対戦したばかりのスポルティングのセバスティアン・コアテスも手を焼いていた。

 そんな彼の姿を観て、サポーターの胸は高鳴った。世界のトップレベルに近づく日本人選手がまたひとり出現しようとしている事実に。

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