快勝なのに浮かない表情。
「天邪鬼」な青山敏弘が素直に語った不満点 (2ページ目)
スタート位置が低ければ、当然攻撃は遅くなる。パナマが自陣を固めていたこともあるが、この日の日本はたしかに遅攻が多かった。本来は素早く縦につけ、コスタリカ戦で示したように2列目のスピードアップを促したい。そうした狙いがあったはずだ。それができなかったことに、青山は納得していなかったのだ。
それでも、青山のパスワークが日本の攻撃を導いていたのは間違いない。絶妙な浮き球パスをエリア内に走りこんだ室屋成に合わせたり、大迫勇也に得意のロングフィードを届けたりするなど、多くのチャンスを生み出した。そして42分、自らのパスカットから鋭い縦パスを打ち込み、南野拓実の先制ゴールを演出してみせた。
「(南野が)いいポジションを取ってくれたんで、出しただけです」
あいかわらずの謙遜ぶりだが、このアシストシーンにも青山の不満が見え隠れする。
「あれは奪ったボールからなんでね。マイボールのときに、相手がしっかり固めている状況でも(縦パスを)入れたい」
つまり、偶発的な形ではなく、しっかりとつないで、意図的に相手の守備陣形を崩したかったということだろう。そうした形をなかなか生み出せなかったことが、青山にとっては納得できなかったのだ。
森保監督になって、まだ2試合目。チーム作りは始まったばかりだ。サンフレッチェ広島時代にも指導を受けた青山は、「森保スタイルの伝道者」としての役割も担っているだろう。そのなかで、自身のパフォーマンスは二の次。あくまでチームの成長を最優先に考えている。
とりわけ、攻撃面の連係については「まだまだ時間がかかる」と危機感を示している。コスタリカ戦では中島翔哉と堂安律の両サイドが躍動したが、原口元気と伊東純也が入ったこの日は、両者ともに得点に絡んだものの、インパクトのある活躍は見せられなかった。
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