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なでしこが反省だらけも嬉しい優勝。
数々の挑戦と守備の向上を見せた

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

 なでしこジャパンが手にした今年2つ目となるアジアタイトルは、喜びと悔しさが複雑に交じり合うものだった。

 アジア大会(インドネシア/パレンパン)決勝の相手・中国に対し、日本は、前線に岩渕真奈(INAC神戸)、長谷川唯、籾木結花(ともに日テレ・ベレーザ)、中島依美(INAC神戸)らを揃えた。

2大会ぶりにアジア大会優勝を果たした、なでしこジャパン2大会ぶりにアジア大会優勝を果たした、なでしこジャパン 小気味いいパス回しで相手の隙を突き、ワンタッチパスで好機を生み出すはずだった。ところが、中国の圧に押された日本はあっけなく主導権を渡してしまう。そして前半は全くパスがつながらず、前を向いて攻撃をしかけることすら難しい状況に陥る。

 通常であれば、高い位置からプレスをかけてボールを奪い、少ないタッチでゴールを狙いにいくのが、なでしこジャパンの試合の入り方である。しかしこの試合では、あえてそこを封じてまでチャンレジしたいことがあった。

「とことん(ボールを)繋ぎ通そうって。今回は(自陣からでも)つなげてみようってチャレンジしたところはポジティブに捉えたい」と話すのは鮫島彩(INAC神戸)だ。

 けれど、事態は深刻化していく。中盤の足元につけようとしても、詰めてきている相手に捕まってしまう。中国が先手を打ってポジションを取り、日本の動きをじわじわと限定していくと、ズルズルとラインは下がり、気づけば自陣で攻撃をかわし続ける泥沼にハマっていた。「0点。プラスに捉える内容がなさ過ぎて......」自己評価にガックリと肩を落としたのはボランチの隅田凜(日テレ・ベレーザ)。なんとか落ち着かせようと手を尽くしたが、事態は好転しなかった。

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