第二の乾貴士は日本で育つか。独善的ドリブラーに必要な評価と強化
チームがグループリーグを突破してベスト16へ進出したばかりか、自身も全4試合に出場して2ゴール。先ごろのワールドカップをあらためて振り返ってみても、日本代表の躍進において、乾貴士の充実ぶりは見逃せない。
ロシアW杯で日本代表の攻撃をけん引した乾貴士 同じベスト16進出でも、今大会が2010年南アフリカ大会以上に価値が高いのは、専守防衛に徹した8年前とは違い、日本代表が自らボールを保持する時間を長くし、より主体的に試合を進めたことで手にした結果だったからだ。
そんななか、ともすればショートパス頼みになって手詰まりになりかねない日本代表の攻撃に、アクセントをつけていたのが乾だった。
ゴールラインギリギリまで深くえぐるドリブルや、相手を抜き切らずにコースを見つけて放つシュートなど、ラ・リーガで磨きをかけた技術は、日本代表の大きな武器となっていた。今大会の日本代表はサイドチェンジの長いパスを多用していたが、それが効果的だったのも、乾の存在があったからだろう。
自らのもとに届けられたサイドチェンジのパスを、惚れ惚れするような柔らかなトラップで止めて、縦に仕掛ける。小柄な背番号14が大きなDFを翻弄する様は実に痛快だった。
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