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ザッケローニ「心から日本を誇りに思う。
アジア杯での対戦が楽しみだ」 (2ページ目)

  • パオロ・フォルコリン●文text by Paolo Forcolin 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 このゴールによってベルギーは勢いづき、猛攻が始まり、日本は同点に追いつかれた。しかし、2-2にされた後も日本はスピードがあり、十分に抵抗する力が残っていた。

 だから、日本はなにがなんでも延長戦に持ち込むようプレーすべきだった。しかし残念ながら、最後の数分間の戦い方は最悪だったと言わざるを得ない。ベルギーの勝ち越し点につながった最後のコーナーキック。ショートコーナーにして、時間稼ぎをすべきだったという意見も聞くが、私が監督だったとしても、本田圭佑にあのように蹴らせただろう。やはりゴールは狙うべきだ。

 ただその際、もしものときに備えて、ベルギーの選手たちに徹底的なマンマークをつけさせたはずだ。そして必要とあらば、ファウルも辞さないよう命令をしていたはずだ。審判もそれを予測してホイッスルを口にくわえて用意していたのを、実際、私は見ている。だが、日本はあまりにも正攻法で無防備だった。そして悲劇は起こってしまった......。

 日本のサッカーが教えないことのひとつに、ずる賢さと、合法的な小さなトリックがある。ヨーロッパや、特に南米などではごく当たり前なことなのだが、日本人には抵抗があるらしい。しかし、今回は勝つために、まさにそのスキルが必要だったのだ。

 とはいえ、ピッチで日本が示した実力は、敗退に値するものではなかった。ベルギーのエースたち、エデン・アザールもケビン・デブライネもロメロ・ルカクも、誰ひとりとして彼ららしいプレーをすることができなかった。それは間違いなく日本の選手たちがいい仕事をしたせいだ。

 ほとんどの選手のプレーにも私は満足がいった。"ほとんど"と言ったのは、シンジ(香川真司)はもうちょっと何かをしてくれると期待していたからだ。反対に、期待を大きく上回ってくれたのは、原口元気、サコ(大迫勇也)、長友佑都、酒井宏樹たちだ。2-0とするまで、ベルギーに彼ららしいプレーをさせなかった。これは本当にすごいことだ。

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