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ザッケローニ「心から日本を誇りに思う。
アジア杯での対戦が楽しみだ」

  • パオロ・フォルコリン●文text by Paolo Forcolin 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 今、私は故郷のチェゼナティコにいる。ここには息子と共同経営するビーチやレストランがあって、夜には友人たちと試合を観戦したりしている。しかしW杯の決勝を待たず、この週末にはUAEに飛ぶ予定だ。現在の私の代表チームがそこにあるからだ。

 来年の1月には、アジアカップがこの私のホームで開催されるが、そこでひと回りもふた回りも大きくなった日本と相まみえることを楽しみにしている。

 ロシアW杯。何よりもまず、私がかつて彼らの監督であったことを、心から誇りに思う。今回の日本代表の多くは、かつて私とともに戦ってくれた選手たちだ。強敵たちと大舞台で堂々と渡り合う彼らの姿は、私の胸を熱くしてくれた。

期待を上回る活躍を見せた原口元気 photo by Fujita Masato期待を上回る活躍を見せた原口元気 photo by Fujita Masato グループリーグは、コロンビアには勝利したものの、セネガルには引き分け、ポーランドには負けるという右肩下がりの結果で、フェアプレーポイントという新しいジャッジ方法に助けられての突破だった。

 ポーランド戦の最後の数分の戦い方には日本でも非難が浴びせられたと聞く。日本人のメンタリティはよく知っている。ああいうやり方は、スポーツマンとして、そして日本人として、ふさわしくないということだろう。しかし、私はあれで正しかったと思う。あのとき何よりも重要だったのは、次に駒を進めることだったのだから。

 決勝トーナメントで対戦したベルギーは、図々しいほどまでに運を味方につけていた。

 なぜなら、実質的に試合の分岐点となったヤン・フェルトンゲンのゴールは、ゴール枠を狙ったシュートなどではなく、ペナルティエリア上空に送ったヘッドでのクロスだったからだ。しかしボールは忌々しい放物線を描いてゴールに入ってしまった。フェルトンゲンのラッキーと、川島永嗣のアンラッキーがここで交差した。

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