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乾、長友、原口、酒井宏。サイドの奮闘で
日本は「戦える集団」になった (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 しかし、ここからの反発力が西野ジャパンの真骨頂だった。先制したセネガルが下がったことによって、日本がボールを持てるようになり、落ち着きを取り戻した。17分、左サイドで乾貴士を起点に、香川真司から長友佑都へ。長友がゴールラインまで運び、マイナスのクロス。こぼれたボールを、長谷部誠がミドルで思い切りよく狙った。シュートは味方の乾に当たってしまったものの、一連の攻撃はチームの可能性を感じさせた。

「最初は様子見をしてしまって、距離を開けてしまった。でも、その後は左でうまくコンビネーションを作れていたし、チャンスにもなっていた」(乾)

 そして37分、柴崎岳が左サイドにピンポイントのボールを展開。これを長友が駆け上がって受けると、中に入ってコントロール。入れ替わってボールを運んだ乾が、右足でファーサイドに巻くシュートを叩き込んだ。

 これで日本はペースをつかむ。セネガルはプレスをはめることで劣勢を挽回しようとするが、日本はボランチがバックラインに落ちることでそれを回避。結果として、日本はポジション的な優位性を保った。

「ハーフタイムに選手たちと話して、ポジティブに自信を持ってボールを動かしていこうと。そこで後半はさらに改善ができた。グラウンダーのボールを増やし、チャンスも多くなった」(西野監督)

 世界最高峰ラ・リーガでも主力を張ってきた乾が、ひときわ強い輝きを放った。大迫勇也のすばらしいキープから、乾は左サイドでボールを受ける。右足で再びファーサイドを狙ったが、惜しくもクロスバーを叩いた。

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