日本はコロンビア戦の「超ラッキー」を認め、セネガル戦はミス減少を (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 サッカーでは、時に退場者を出したチーム、すなわち人数が少なくなったチームが、逆に攻勢に試合を進めるケースが少なくない。数的優位に立ったチームが攻めあぐみ、やることがはっきりと整理された相手に苦戦するというパターンだ。

 しかし、この試合は15時キックオフで気温は30度近くに達していたとあって、プレー環境としてはかなり厳しかった。ひとり少ないという状況は、コロンビアにかなりの負荷を与えていたはずだ。実際、コロンビアは後半に入ると、引いて守りを固めるようになり、「引き分けでOK」の雰囲気を漂わせた。

 後半の、特に60分を過ぎたあたりから、日本が敵陣深くまで攻め入る回数が増え、そのなかで決勝点が生まれたのは事実だとしても、ひとり多いアドバンテージが日本に落ち着いてゲームを進めさせてくれた。その側面があることも否定できない。

 長谷部も「後半は何度かチャンスができたが、これが11対11になったときにどれだけできるか、というところは冷静にやっていかないといけない」と話しているとおりだ。

 また、西野監督が「すべては初戦」と語り、ここに照準を合わせて準備してきたコロンビア戦だったが、必ずしも事前のスカウティングに沿ったゲームプランを完璧に遂行できたわけでもなかった。

 例えば、コロンビアのエースストライカー、FWラダメル・ファルカオは、「(相手DFと)全然当たっていなくても(ファールをもらうために)倒れるから気をつけろと言われていた」(DF昌子源)という。だが、コロンビアの同点ゴールとなったFKは、まさにそのファルカオの演技力にまんまとしてやられたものだ(浮き球を長谷部と競り合った際にファルカオが倒れ、ファールの判定となったが、映像を見ると明らかにノーファール。長谷部によれば、主審は試合後に"誤審"だったことを認めたという)。

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