辛口なハリルも絶賛。「Jリーグ選抜」代表でGK中村航輔が好セーブ (3ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 早草紀子●撮影 photo by Hayakusa Noriko

 後半は、まさに中村の独擅場だった。決まったと思われたヘディングシュートを鋭いセーブではじき出せば、目前でコースが変わったダイレクトシュートも驚異的な反応でストップ。この日が代表デビュー戦とは思えない堂々としたプレーでゴールにカギをかけ、完封勝利の立役者となった。試合を決めたのは決勝ゴールのMF井手口陽介(ガンバ大阪)だったが、勝利をもたらしたのがこの若きGKだったことに異論の余地はないだろう。

「いいプレーをした選手たちがいた。特に若いGKはいろいろな場面で解決策を見つける姿を見せてくれた」

 収穫の少ないゲームのなか、指揮官も中村のパフォーマンスに関しては称賛の言葉を並べていた。

「いつも通りできたと思います」

 デビュー戦の感想を聞かれた中村は、淡々と試合を振り返った。

 その後も何を聞かれても、「勝つことができてよかったです」「結果を出すことが一番だったのでよかったですね」と、素っ気ない。決して饒舌(じょうぜつ)ではない22歳の本心をうかがい知るのは困難だったが、ようやく訪れた代表デビュー戦に並々ならぬ想いで臨んでいたのは確かだろう。

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