香川真司が日本代表で抱える2つの危機感。「もっと監督と話を...」 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko 山添敏央●写真 photo by Yamazoe Toshio

「温存って、代表で? 温存とは捉えていないです。ただ出られなかっただけで、そこでチームは結果を出している。危機感はあります」

 10番不在で日本は予選突破を決めた。しかも若手が台頭している。焦りが生まれないわけがない。ドルトムントでのポジション争いとは違って、日本代表でのそれについて香川の言葉数は少ない。危機感を悟られたくないのかもしれないが、表情は厳しい。

 ニュージーランド戦では先発出場、60分までプレーしたが、試合開始9分にポストを叩くシュートを放った以外、これといったプレーは見せることができなかった。一方、大幅にメンバーを入れ替えたハイチ戦は59分からの途中出場。終了間際にチームの3点目を決めたからなのか、少し安堵感が漂っていた。

「あそこ(得点シーン)まで、効果的なチャンスが生まれてなかったです。あの場面が唯一、(原口)元気から車屋にいって、うまく攻撃のリズムがドンって乗った、速い攻撃ができた、連動性のある攻撃ができた場面だったのかなと。それ以外に関してはやはりリズムは生まれなかったと思いますね」

 反省点を挙げながらも、その口調は滑らかだった。この2試合の間にも、指揮官ハリルホジッチからは「スターでもメンバーから外すことはできる」などと、暗に不調の香川の扱いを匂わせる発言があった。今後も香川は、チーム内外からのプレッシャーをはねのけるだけの結果を出し続けなければならないのは間違いない。

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