2017.09.01

忍者サッカーで豪州を惑わす。
勝因は「非・本田圭佑」的な選手の抜擢

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by Reuters/AFLO

 ほぼ互角。むしろ前半41分に日本が先制ゴールを挙げるまで、内容ではオーストラリアの方がよく見えるほどだった。日本は、従来の代表チームがこだわってきたパスワークという点で、オーストラリアに上回られていた。出し手と受け手の2者間の関係に終始しがちな日本より、オーストラリアは可能性を感じさせる上質なパスワークで対抗した。

 そうした中で飛び出したのが、左サイドバック長友佑都の戻りながらのクロスボールだった。身長170センチの俊敏な動きを、オーストラリアの最終ラインは、珍しいものを見るように、必要以上に追いかけてしまった。

 その間隙を突き、ラインの裏側に飛び出した浅野拓磨のアクションも、相手の意表を突くのに十分だった。瞬間、逆モーションで入れ替わった浅野は完全なフリーになった。ミートに失敗するのではという心配をよそに、ゴールにあっさりと流し込んだ。

オーストラリア戦に抜擢され、2点目を決めた井手口陽介「侍」とは、ハリルホジッチが特に最近、好んで使う日本の代名詞だが、長友、浅野(173センチ)の動きは、侍というより忍者に近い。侍よりすばしっこく、抜け目ない。

 先制点のシーンで、左サイドで長友にパスを配球した井手口陽介も171センチの小兵だ。身体能力高めのアスリートタイプだが、俊敏さも兼ね備える。後半37分には、緩慢なオーストラリアDFの間を縫うようにドリブルで突き進み、追加点を叩き出している。さらに左ウイングで先発し、滑らかな動きを見せた乾貴士も169センチの小柄な選手だ。