鮫島、中島でエース封じ。なでしこがオランダに3カ月前のリベンジ (4ページ目)

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

 やはり課題は攻撃面だ。この日の決勝ゴールは、横山久美(AC長野パルセイロL)の1発のみ。ピッチに登場してわずか3分で仕留めてみせた。こだわりのファーストタッチはまずかったものの、得意のターンで持ち直し、一気に右足を振り抜いた。彼女らしいゴールだったが、横山が前を向いてボールを持てたのはこの1度きり。両チームともに選手を入れ替えた後半はバタついた展開で、日本は主導権を握ることができず、オランダの攻撃を浴び続ける時間帯が続いた。苦しい時間帯だからこそ、攻撃でその流れを切ることも必要だ。選手それぞれアイデアを持っていることは確かだが、それをバイタルで脅威となる攻撃に育て上げていかなければ、ゴールに結びつく形は生まれないだろう。

 この日のオランダは球際も甘く、パスの精度も欠いていた。そんな相手に対し、1ゴールというのは何とも物足りない。"うまさ"を駆使して"強さ"を得る――。その真っただ中にいる、なでしこ。次なるベルギー戦は中3日と猶予はないが、突破口となるプレーをひとつでも多く見出したい。

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