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結果オーライの引き分けの中、
イタリアを翻弄した堂安律はスゴかった (2ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • スエイシナオヨシ、佐野美樹●撮影 photo by Sueishi Naoyoshi,Sano Miki

 ようやく落ち着きを取り戻した選手たちがテンポよくボールを動かせるようになると、堂安はそれを待っていたかのように、今度は少々強引にでも自らドリブルで仕掛け、イタリアゴールに迫った。

 ともすれば落胆の色が広がりかねないチームに生気を取り戻させたのは、間違いなく背番号7の鬼気迫るプレーだった。堂安が振り返る。

「2失点してから何とかチームを変えないと、と思った。自分がボールに触って、チームに喝を入れるというか、『オレはこんだけやってんねんぞ』って思わすためにも、厳しいところでも仕掛けにいったし、球際でも戦いにいった」

 そして迎えた22分。左サイドからMF遠藤渓太がDFラインの背後にクロスを送ると、その落下地点に敵味方を問わず、ただひとり走り込んでいたのが、堂安だった。

 ジャンプして伸ばした左足にわずかに触れたボールは、GKの股間を抜けてゴールに転がった。堂安は「あれはガンバでも求められているプレー。自分が(パスの出し手だけでなく)受け手にもならないといけないというのが課題だった」と言い、こう続ける。

「受け手になって(相手にとって)怖いところに入っていくということが実現できた。渓太がいいボールを蹴っていて、フィーリングがよさそうだったので、(パスが)来そうやなと思って走った結果。あれを続けていきたい」

 堂安自身、「だいぶ楽になった」と振り返ったように、すでに変わり始めていた試合の風向きは、このゴールを境にその変化が明確なものとなった。

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