U-20日本代表、ラッキーな勝利。
真の「世界戦」はこれから始まる (4ページ目)
また、冨安がすでに視線を次戦へ向けていたように、むしろこの勝利は、単にこの試合に勝った負けたということ以上に、次につながるという意味で非常に大きな1勝だったに違いない。「南アフリカは予想以上に個々のスピードがあった。それを経験して逆転できたことは次につながる」とは、内山監督の弁。2戦目以降に待ち受けるウルグアイ、イタリアという強豪に対し、自分たちの力を存分にぶつける態勢を、特に精神的な部分で整えることができたことは大きかった。
日本vs南アフリカのあとに、同じ会場で行なわれたイタリアvsウルグアイ(ウルグアイが1-0で勝利)を見る限り、どちらのチームもかなり手ごわい。
第1試合が、ピッチ上のあちこちで細かなミスが起き、落ち着かない状況が頻繁に見られる"子どものゲーム"だったのに比べると、第2試合は洗練された"大人のゲーム"。チームとして非常にソリッドな戦いができるだけでなく、個々の技術も高く、1対1の攻防は激しい。両チームともに技術、戦術などあらゆる点で、南アフリカよりも数段上の力を持っていることは確かだ。南アフリカには申し訳ないが、日本の実力が試される本当の世界大会はここからが本番。そう言ってもいいだろう。
そんな難敵に対して恐る恐る向かっていくのか、自信を持って堂々とぶつかっていくのかでは、大違い。結果にかかわらず、後者の姿勢で戦ってこそ見えてくるものが、間違いなくある。
若さゆえの脆(もろ)さも負けん気も垣間見せたU-20日本代表。少しの幸運も味方につけ、価値ある勝利をつかみ取った。
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