U-20日本代表、ラッキーな勝利。
真の「世界戦」はこれから始まる (2ページ目)
先制点にしても、中盤で横パスをテンポよくつながれるなかで、ボールに意識を引っ張られ、2列目からの飛び出しで裏を取られたことから生じたものだ。先制点の他に、少なくとも2度は決定的と言うべきピンチを迎えており、前半のうちにスコアが0-2、あるいは0-3へと広がっていてもおかしくはなかった。
後半に入ると、「60分まではよかったが、残り30分はエネルギーが不足し、疲れてしまった」(南アフリカのサボ・セノング監督)という相手の動きがかなり落ちたこともあり、日本は落ち着いて試合を進めることができた。その結果の逆転勝利である。
だが、それ以前に試合が決していた可能性も十分にあったことを考えれば、「先制されてバランスを崩し、2点目、3点目(の失点)もある流れになったが、少しラッキー。相手のシュート(ミス)に助けられた」(内山監督)というのが、実際のところだ。
20歳以下のカテゴリーとはいえ、W杯と名のつく大舞台に立ち、やはり選手には少なからず緊張や硬さがあっただろう。
今回のU-20日本代表は、登録メンバーのなかにU-17W杯の出場経験を持つ選手はふたり(MF坂井大将、三好)しかおらず、国際経験豊かなチーム、とは言い難い。
3年後の東京五輪で主力となる世代ゆえ、この1、2年は海外遠征を増やすなどの強化策が、最近の同代表に比べれば積極的に採られてはきたものの、付け焼刃の感は否めない。やはり真剣勝負の本番は、練習試合や小さな国際大会とはまったくの別物。その舞台に立ってみなければ、実体はわからない。
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