世界最強リヨンで主力の熊谷紗希。
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そんな熊谷には、残り半分となった2016-17シーズンで密かな野望がある。
「2016年最後の試合をパリに負けたんです。それがサッカーなんですけど、チームとして何もできなかったわけではないし、ただただチャンスをスコアにできなかった。ボランチになって、自分も点を取ることを意識しているんですけど、ボックスの中でどれだけ仕事ができるかが勝負。ボランチだから、攻守ともにゴールに遠いところにいるけど、だからこそ何ができるかを意識しています。
残りのシーズンはその精度を上げて、自分自身を"スコアできる人"なんだと、監督やチームメイトに認識させたい。今はまだその部分では認識されてないというか......私のよさをそこだと思ってないから。でも、よさなんていくつでも増やせばいいんだし、スコアもできるんだって思わせたいです!」
世界トップクラスの人材の宝庫となったリヨンで、がむしゃらにサッカーに打ち込む熊谷。ピッチではあらゆる局面で化学反応が起きる。それを全身に浴びながら、時に自らその反応を誘発することもある。そのすべてをひとつ残らず体に刻みつけようとする彼女は、今もなお生粋のチャレンジャーとしてサッカーに向き合っているからこそ、心からサッカーを楽しみ、苦労を吹き飛ばす日々を送ることができるのだろう。熊谷がスコアラーとしての強さを見せる日もそう遠くはないはずだ。
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