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世界最強リヨンで主力の熊谷紗希。
次は「ゴールを奪う選手」になる (3ページ目)

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko
  • photo by Getty Images(試合)

「1対1の力は伸びたと思います。日本はどちらかというと"抜かれない守備"をする。でも海外は"奪う守備"をするんです。奪えないと使ってもらえない。で、試行錯誤を繰り返すうちに奪えるようになる。そこが海外で自分が成長したところだと思います」

チャンピオンズリーグ決勝では、PKを決めてチームの勝利に貢献。MVPにも選ばれたチャンピオンズリーグ決勝では、PKを決めてチームの勝利に貢献。MVPにも選ばれた ドイツで体得し、リヨンで磨きがかかった熊谷のプレー。今、彼女はボランチの面白みにハマっているという。

「切り替わった瞬間にボールが取れたときが一番楽しい! ボランチってボールの読みとか予測が一番できるところじゃないですか。CBだとやっぱりリスク管理が優先されるから、それこそ"奪う"守備ができないときも多い。私はやっぱり奪いにいきたいんです。今、リヨンの練習でやられることなんて多々あるし、そうやってやられていく中で、次はどうやってやられないようにしようかな、どう対応しようかなって、日々の練習で成長しているのが実感できるんです」

 各国の代表選手が集結するリヨンは、世界最強の紅白戦を組むことができる。毎日が国際試合のような贅沢な環境に、熊谷は主力として立つことを許されている。彼女特有の分析力と探求心、ケガに見舞われない強靭な身体、そして何より細かいことをクヨクヨしない天真爛漫な性格が、自身の成長を大きく後押ししている。

「ボールを回していてもスピードとか、リズムを変えるのはすごく大事じゃないですか。そこでのダイレクトパスは重要で、ダイレクトで入った縦パスっていうのは大体決まる。自分の出したパスを受けた人が、いかに時間とスペースを持ってプレーできるかっていうのを常々意識しています」

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