「誰が出ても強い」ヤングなでしこ。1位でU-20W杯の決勝T進出

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

 2連勝でグループB首位を走るスペインを、日本とナイジェリアが1勝1敗で追う形で迎えたU-20ワールドカップ予選グループ最終戦。決勝トーナメント進出を自力でつかみ取り、前試合の嫌なムードを消し去るには勝利しかない。

今大会初出場で存在感を示した宮川麻都今大会初出場で存在感を示した宮川麻都 すでに予選グループ敗退が決定しているカナダは、大量失点を避けるべく、アンカーを置いた4-1-4-1システムで自陣を固める。が、今の日本にとって相手の布陣は関係ない。先のスペイン戦で影を潜めてしまった日本スタイルを、自らの手で取り戻さなければならないのだ。

「最初の1本だよ!」。円陣を組んだ選手たちの表情が一段と引き締まる。同じ轍は二度と踏まない。決意みなぎるプレーは立ち上がりから随所に見られた。引いて守るカナダに対し、焦れることなく、確実にゴールに近づく日本は26分、CKの混戦から、クリアボールを長谷川唯(日テレ・ベレーザ)が決めて先制する。42分には籾木結花(日テレ・ベレーザ)が強烈なシュートを放ち、GKがたまらず弾いたボールを上野真実(愛媛FC)が決めて2点目。これで試合の流れを決定づけた。

 高倉麻子監督いわく、「(カナダの)パワーをまともに受けてしまうのが嫌だったので、最初に風下をとって、しっかり様子を見ながらゲームを進めたかった」という通常とは逆の発想で、有利とされる風上のポジションを後半に持ってきた日本。

1 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る