ハリル解任に備えあれば憂いなし。日本代表の新監督候補はこんなにいる (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by Fujita Masato

 コンセプトは従来通り、攻撃的サッカーであるべきだ。そもそも世界的にそれ以外(守備的サッカー)が占めるシェアは1~2割。つまり、攻撃的サッカーはもはや当然すぎて死語に近い。世の中はそのディテール勝負の時代だ。その中でもよりよいもの、つまりハリルホジッチのサッカーを一歩も二歩も昇華させてくれる監督を探し求める必要がある。

 ヒディンクよりハードルの低い大物に目を凝らせば、バルセロナの元監督、フランク・ライカールトのもとで助監督の立場ながら、事実上の監督として作戦を練ったヘンク・テンカーテ(オランダ)が浮上する。

 昨季、アルジャジーラ(UAE)の監督を退任し、現在はフリー。今日のバルサの礎を築いた戦術家に打診しない手はない。そのバルサ時代に話を聞けば、「実情は、日本に住む知人経由で常にチェックしている」と、日本に強い関心を示していた。「ディフェンス(プレス)組織の立て直しなら、2~3カ月あれば十分」と、当時の日本の問題点を指摘し、解決可能だと言い切っていた。その頼もしさにかけて見る価値は十分ある。

 ヒディンクと同年代(69歳)ながら、昨季まで、セリエAのクラブを中心に監督を務めてきたズデネク・ゼーマン(チェコ、イタリア)もコンセプトに合致する監督だ。守備的サッカーに支配されがちなイタリアにあって約35年間、攻撃的サッカーを唱え続けてきた反骨の士。その筋金入りの意気地に信頼感を抱かせる。

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