長谷部誠が感じたハリルJの完成度「過去と比較して語るのは難しい」 (4ページ目)

  • 佐藤 俊●文 text by Sato Shun
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

 迎えたタイ戦。左サイドMFで起用された原口元気が積極的に仕掛け、豊富な運動量で守備でも貢献した。サイドバックの酒井高徳との連係もよく、左サイドは初戦に比べてかなり活性化された。それが、右サイドにも波及したのか、原口が決めた先制ゴールは、右サイドの酒井宏樹のクロスから生まれた。

 UAE戦では、中央に偏った攻撃、足もとばかりのパスワークで、点が奪えなかった。その反省を生かした、狙いどおりのサイド攻撃だった。

 その後も、決定機は何度も作ったが、決め切れなかった。それでも、後半30分にFW浅野拓磨が待望の追加点をゲット。初戦同様、危ないシーンもあったものの、結果的には2-0と完勝した。

「UAE戦のように、真ん中からの攻撃ばかりになると、相手も的を絞りやすくなるので、(タイ戦では)最初からサイドを使う意識はありました。1点目はそのサイドから取れていますし、サイドからのいい崩しから決定的なチャンスが何回も生まれた。そこで決める、という課題はありますが、多くのチャンスが作れた点は、前回(のUAE戦)から進歩したところだと思います」

「サイドから」という戦い方については、選手たちの意思統一は図れていたようだ。ただそれは、悪かった部分を修正しただけで、チームの完成度が高まったということではない。

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